娘がNICU(新生児特定集中治療室)に入り、2カ月半が過ぎました。
着実に一歩ずつ前進しており、10月末に人工呼吸器が替わり、11月2日には、ついにカンガルーケア(親が子供を抱っこするプログラム)が始まりました!
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今日は、そこに至るまでの経過について。
◎カンガルケアーを始めるには…カンガルーケアをするには、子供を保育器から出す必要があります。 私たちの場合、保育器から出せない理由=人工呼吸器の問題があり、カンガルーケアの開始まで時間がかかりました。
以前使用していた人工呼吸器は、肺の力が弱く自力で呼吸ができない娘に代わり、機械と、肺まで入ったチューブが呼吸(「吸う」と「吐く」の作業)をサポートしてくれるものでした。呼吸の代わりとなっているので、長時間体から離すことができません。(長時間離すと呼吸が止まってしまいます)
そしてその人工呼吸器はかなり重く、簡単には移動できないため、子どもの体もチューブが届く範囲でしか動かせず(=保育器から出せない)、カンガルーケアができませんでした。
この呼吸器を使っていると、同じ体勢にし続けないように娘のポジションを変えるだけでも、大人二人がかりの大騒動になります。なぜなら、機械を動かせないということは、娘の体を動かす他ないので、一時的に呼吸器を外し、瞬時に娘の体を180度回転させる必要があるからです。
やはりこの作業は危険を伴うようで、その瞬間は、処置に当たってくれるナースやドクターの間にも緊張が走っていました。毎回その様子を側で見ながら、お願い!早く呼吸器を付けて! とヒヤヒヤしたものです。
▲以前使用していた、人工呼吸器。太いパイプの先にあるチューブから、娘の肺へ酸素が送り込まれていました。
▲今使っている人工呼吸器
娘の肺が成長し、自力で呼吸できるようになったので、ようやく肺までチューブを入れる必要のない人工呼吸器に替わり、同時にカンガルーケアができるようになりました。
今の人工呼吸器は、鼻に付いています。こちらの機械は、「呼吸を補助」する役割に過ぎず、基本的には娘が自分の力で「吸う」「吐く」をしていきます。
1.CPAP (Continuous positive airway pressure) – 持続的気道陽圧法常に一定のPEEPを加えたままにする換気法。呼吸器から離脱する過程にある患者や自発換気は充分であるが酸素化に障害がある患者に使用する。通常はそれにPSV(患者の吸気努力を呼吸器が感知すると、圧をかけて空気を注入する)を併用する。自発呼吸のないまま一定時間が経つと強制換気を行うが、強制換気はあくまで非常手段でありアラームが鳴る、と言う点がSIMVとの違いである。2. SIMV (Synchronized intermittent mandatory ventilation) – 同期的間欠的強制呼吸患者の呼吸努力を検知するとPSV(患者の吸気努力を呼吸器が感知すると、圧をかけて空気を注入する)にて換気補助し、一定時間以上それが無い場合には強制換気する。呼吸不全の患者に対する一般的な換気法※ HFV (High-frequency Ventilation): 高頻度換気高圧による肺損傷を回避。従来の換気方法を用いると、高い気道内圧により肺が損傷を受ける症例に対して、高頻度振動換気は適切に酸素化・炭酸ガス排出をしながらも、気管や肺胞レベルでの圧が低く抑えられる。そのため従来の換気方法で発生する、繰り返される拡張と収縮による圧損傷の危険性を回避することができる。換気方法により、以下の2つの方式がある。3. HFJV (High-frequency “Jet” Ventilation): High-frequency ventilation (Passive) – 高頻度ジェット換気気道内圧を上昇させずに呼吸を維持する人工呼吸法。吸気(吸い込む)は換気装置で強制的に送り込むが、呼気(吐き出す)は強制せずに自然に行わせる(非強制呼気)4. HFOV (High-frequency “Oscillatory” Ventilation): High-frequency ventilation (Active) – 高頻度振動換気(強制呼気)気道内圧を上昇させずに呼吸を維持する人工呼吸法。吸気(吸い込む)、呼気(吐き出す)ともに換気装置で強制的に行わせる5. INO (Inhaled Nitric Oxygen) – 一酸化窒素吸入療法・肺の動脈を拡張して肺循環をスムーズにすることによって血中酸素濃度が改善される。・心臓への負担が軽減できる画期的な治療法・気道から肺に直接到達するため即効性のある療法・全身の血圧を下げることなく肺動脈圧のみを下げることが可能・急激にNO(一酸化窒素)の吸入をストップすると肺血管抵抗が増加したり低酸素血症を引き起こす恐れがある(リバウンド現象)。これを予防するために、NOの濃度を小さい下げ幅で徐々に下げ、低い濃度になってから吸入を中止する。中止する際には一時的に吸入酸素濃度を上げるなどの対処が必要・通常の吸入濃度では重篤な副作用が起こる可能性は非常に少ないとされる
もともと娘は、HFJVから始まりましたが、生後1カ月ほどで調子が良くなったことを受け、2.SIMVに切り替わりました。
ところがこの処置は、娘には”早過ぎた”ようで途端に調子が悪くなってしまい、至急、4. HFOVと 5. INOの併用に変更。その後、4. HFOVを単独で使い続けてきました。生まれてから約2カ月、機械により呼吸の全面サポートを受けていたことになります。
妊娠23週で生まれた子供は、肺が未発達のため、トラブルを抱えやすいと言われています。娘もやはり肺の調子が悪く、初めのうちは肺から空気が漏れ出すなど、肺の弱さが目立ちました。長い間自力呼吸ができず、「吸う」「吐く」といった普通の子供なら自然にできることも、娘は機械に頼らざるをえませんでしたが、ようやく自力で呼吸できるようになり、呼吸器もライトなものへと替わりました。
◎カンガルーケアがスタート!
今のところ新しい機械になっても問題なく、 11月2日、ついにカンガルーケアが始まりました。娘が生まれてから、2カ月半。長い長い道のりでしたが、ようやくここまで来ました。
ドクターからは、このままうまくいけば年内の退院もあるかも? と言われているところです。
実際には、相当うまくいかないと難しいと思いますが、ドクターの言葉と娘の力を信じ、また一歩ずつ頑張っていきます。
初めて腕に抱く娘は、1.5kgの体重以上にずっしり重く感じました。
私の腕でスヤスヤよく眠ってくれ、顔を見つめながら、ああなんて愛しい存在と、娘が今ここにいてくれることに心から感謝しました。
ひとまず、大きな前進です!!
▲3人で初のセルフィー!
いつも私たち家族を応援して下さる皆様に感謝を込めて…
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